競走車について
34期・上和田拓海選手の競走車「ノリックW31」
特徴と性能
ブレーキがない
競走車の最大の特徴。レースが接近戦で行われるため、勝手なブレーキ操作は追突事故のもとになるからです。なお、キャブレターにはアイドリング機能がなく、シャッターが完全に閉じるため、エンジンブレーキの効きは強力です。
ハンドルの高さが違う
コースを左回りで、終始傾斜して走行する競走車は、傾斜時の安定性を向上させるために左ハンドルが高くなっています。
計器類がない
各種メーター、ランプ類など、競走に必要のないものは一切取り除かれています。セルモーターや始動キックペダルもないので、エンジンの始動は押しがけによって行います。
ダイヤモンド型フレーム
フレームは、JAPエキセルシャー型から発展したダイヤモンド方フレームを採用しています。この形式は、三角フレーム、エンジン、エンジンプレート、上下バックフレームを全てボルト&ナットで連結。エンジンの始動と落車時の変形を最小限にとどめる機能的なものです。なお、付属品として、前後フェンダー、フェンダーステイ、サドル、ひざ当て、ステップ、チェーンケースなどを備えています。
三角タイヤ
前後輪とも、ダンロップKR-73,3.00-20-4PRタイヤを使用。カーブでの接地性をよくするために、タイヤの断面は三角形をしていますが、それでも新品のままでは接地性が十分ではないため、使用する前に接地する側のトレッド部の表面をサンダーで削り、さらにコースを数周する「当たりつけ」を行います。なお、タイヤの寿命は、普通3~4レースです。雨天用の特別なタイヤはありません。トレッド部の高いものを「雨天用」、トレッド部の低いものを「晴天用」として使用しています。なお寒冷期には、薬品の配合率を変えてゴムの発熱性を高めたKR-73Wタイヤが前後に使われる事もあります。
独自のサスペンション構造
フロントは、コイルスプリングのみのテレスコピック形式のフォーク、そしてリヤはまったくのリジット。これはタイヤが限界を超えて横滑りしたときにもマシンのコントロールを容易にするためです。
2段変速トランスミッション
ローギヤでスタートして、トップギヤに入れ替えたら、後はアクセルワークによる加減速のみ。トップギヤのパワーバンドは時速50km~150kmと非常に広いため、コントロールには細心のテクニックが要求されます。